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「米澤穂信『氷菓』──甘酸っぱい青春ミステリーに胸が弾む」

高木 健人

筆者 高木 健人

不動産キャリア10年



10余年も遡り、アニメで『氷菓』-ひょうか- を観ていた頃はまだ米澤穂信作品だとは知らず、



「さすが京アニ! 作画が綺麗で楽しいなぁ」くらいの気持ちで楽しんでいました。



でも気づけば、今はすっかり米澤穂信作品の魅力に取り憑かれている自分がいます。






ここで『氷菓』について、、



著者のデビュー作である『氷菓』。



同作はライトノベルの新人賞である角川学園小説大賞のヤングミステリー&ホラー部門で奨励賞を受賞作品である。




あらすじ、、



何事にも積極的に関わろうとしない「省エネ主義」を信条とする神山高校1年生の折木奉太郎(おれきほうたろう)は、


姉・供恵からの勧めで古典部に入部する。


しかし、古典部には同じ1年生の千反田える(ちたんだ)も「一身上の都合」で入部していた。


奉太郎とは腐れ縁の福部里志も古典部の一員となり、活動目的が不明なまま古典部は復活する。


そして、えるの強烈な好奇心を発端として、奉太郎は日常の中に潜む様々な謎を解き明かしていく。







ただ、ここで伝えたいのは——


これまで読んできた米澤作品とは、ちょっと雰囲気が違うということ。



これまでの読んできた作品のような陰鬱さや重さではなく、


『氷菓』は、ほのぼのとした日常にひょっこり現れる不思議を、


高校生たちが解き明かしていく青春ミステリー。



時折描かれる、仲間たちの揺れる心模様や、


ふとした瞬間の心の叫びに胸を打たれながらも、


読後感はどこか爽やかで、甘酸っぱい青春の香りがふわりと残る。



気分が沈んだり重たくなることはなく、


読んでいて心地よい余韻が広がる一冊です。



米澤穂信作品をこれから読み始めるという方には、間違いなくおすすめの一冊!